「ぼくらは夜にしか会わなかった(著:石川拓司)」を読んで

ネタじゃなくガチで私の文は拙く、読む人を不愉快にさせることもあるかもしれません。

今回のタイトルの小説には短編が6つ入っていました。
そのどれもが儚く美しい恋物語で、正直1本読むだけで胸がいっぱいになって読了に3日かかりました。
たくさん泣きました。


6章すべてがあたたかい終わり方をするので、安心して感動出来ます。
夜、星、草原、夕日、朝焼け等ぽわぽわな郷愁を誘われて胸がいっぱいになりました。

天文台や植物園、あまり行ったことないなぁ...行きたい。

感動させる文章って臭くなりがちですが、この本は塩を振ったスイカのように甘くて爽やかでした。

以下抜粋
《わたしたちは蹲り耳を塞ぐ。それでも大人たちは無理やりわたしたちの腕を取り、真実を見ろ、と強く迫る。
なんのために?
わたしたちは美しいものを愛す。夜明けの川面を漂う白い靄、冬に葉を落とした木々の蒼いシルエット、電球のフィラメントのオレンジ色の光、愛するひとを気遣い思いやる心、遠慮がちな仕草、真夜中の親密な囁き───
それこそがわたしたちの真実だった。》


ほんとそれ!ってなりました。

あと、睡眠や永眠など、リアルワールドから離れたあとの状況について触れています。あぁ、こんな風に優しさに包まれて死にたい、なんなら今すぐ...って思えます。夜眠れるようになりました。

宇宙空間に佇む星雲のように、さみしげであざやかな情景描写が主人公やヒロインの燃えるような恋情を映してくれます。
恋愛物語でありながら中性的な人物が多くて、崇高で上品な愛の形を読めました。

あー、恋愛したいな。